親知らず(智歯)抜歯後の麻痺やしびれ | 渋谷歯科 | 平日夜7時半・土日も診療の渋谷の歯医者

親知らずを抜いた後の麻痺やしびれWisdom-teeth

親知らずを抜く際に打つ局所麻酔の効果は、約2時間です。その後、以下の症状が表れることがあります。

  • 麻酔がきれたのにしびれる感覚がある
  • 唇の感覚が戻らない
  • 一晩寝て、朝起きてもまだ唇の感覚が戻らない、しびれが取れない

このような症状が続く時にどのような対応をとると良いかを説明します。

真横に生えている親知らずを抜いた後の麻痺やしびれ

親知らずを抜いた際の偶発症として、麻痺やしびれがあります。

図のように親知らずが真横に生えていて下歯槽神経(かしそうしんけい)に近い場合があります。こういう場合は、抜く際に神経を傷つけたり、圧迫するだけでも麻痺やしびれが起こることがあります。
可能な限り神経を傷つけないように、圧迫しないように親知らずを抜きますが、親知らずの根と神経が触れたり絡んでいたりすると神経麻痺が起こる可能性があります。
真横に生えている場合は、特に下歯槽神経(かしそうしんけい)との距離が近いことがあり、注意が必要になります。

真っ直ぐ生えている親知らずを抜いた後の麻痺やしびれ

患者さまより、真っ直ぐ生えている親知らずでも抜いたら麻痺やしびれが起きることはありますか?という質問を受けることがあります。
親知らずが真っ直ぐ生えていてもその可能性はあります。図のように、親知らずが下歯槽神経(かしそうしんけい)に近い場合は、下歯槽神経を傷つけるケースは少ないですが、神経を傷つけることや圧迫するだけでも麻痺が起こる可能性があります。
真横に生えている親知らずに比べて真っ直ぐな親知らずを抜く方が神経麻痺は少ないですが、起こらないわけではありません。

親知らずを抜いた後の麻痺やしびれ症状

親知らずを抜く際に下歯槽神経(かしそうしんけい)を傷つけたり圧迫したりすると、基本的には下記症状が画像の青の部分で起こります。

  1. 唇のしびれ 唇のしびれは、親知らずを抜いた側に見られます。親知らずを抜いた反対側にしびれが見られることは、少ないようです。左下の親知らずを抜いた場合、青色で示した部分に麻痺やしびれが起こります。
  2. 皮膚の感覚異常・知覚の鈍麻 皮膚の感覚異常は、お化粧をする時や髭を剃る時にその部分だけ感覚が違ったり、知覚の低下が見られたりします。
  3. 電気のような刺激 唇や皮膚に電気が走るような感覚が定期的に起こります。また、唇を閉じる時、開ける時に電気が走るような感覚が起こることがあります。

親知らずを抜いた後の麻痺・しびれへの治療方法

親知らずを抜いて、神経麻痺や知覚異常が起こると非常に心配になると思います。
違和感やしびれ、痛みが生じた時は、早急に歯科医院へ連絡してください。早期治療を開始することが大切です。以下に治療方法を説明します。

  1. 薬物療法  薬を用いて神経機能や作用を活発化させます。用いられる薬剤は、ビタミンB 12やATP製剤、ステロイドなどを用いて経過観察します。
  2. レーザー療法 麻痺やしびれている部分に低出力レーザーを照射します。これにより血流が良くなり、筋肉の緊張緩和を促します。
  3. 星状神経節ブロック療法 頸部の星状神経節に局所麻酔を行い、副交感神経を優位にさせます。緊張がほぐれ血流が良くなることで、麻痺やしびれを和らげる効果が期待できます。

多くの場合において、いずれかの療法を併用して対処します。
また、それら療法の効果には個人差があるため、直ぐに効果を実感できないこともあります。しかしその多くは、継続することで日に日に改善がみられます。
主に大学病院などの大きな施設で治療を受けます。

引用元:日本歯科麻酔学会ガイドラインHP

引用元:歯科治療による下歯槽神経・舌神経損傷の診断とその治療に関するガイドライン

まとめ

もし親知らずを抜いた後に麻痺やしびれを感じた時は、できるだけ速やかに歯科医院を受診しましょう。
我慢して受診が遅れると麻痺やしびれの回復も遅れます。
症状によっては、大学病院を紹介してもらえるため、専門的な治療を受けることができます。

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